05
12月
2014

早稲田大学とSHIFT、ソフトウェアテストにおける探索的手法の共同研究を開始

本日、「ヒンシツ大学」を運営する株式会社SHIFTは、以下のリリースを発表させていただきました。

 

早稲田大学とSHIFT、ソフトウェアテストにおける探索的手法の共同研究を開始
-16万件以上に及ぶ不具合データベースから最も効率的なテストケースを導き出すアルゴリズムの開発-

株式会社SHIFT(本社:東京都港区、代表取締役社長:丹下 大、以下SHIFT)は、早稲田大学グローバルソフトウェアエンジニアリング研究所 鷲崎弘宜所長(東京都新宿区、以下鷲崎所長)と、この度、より不具合摘出率の高いテスト手法を新しく開発すべく、ブラックボックステスト領域における探索的手法の研究(以下、本研究)を開始いたしました。

共同研究の概要

現在の開発プロジェクトにおいて、満たすべき要件の一つに「いかに早く製品をマーケットインできるか」が挙げられます。マーケットニーズの多様化や競争激化、新技術の勃興などによる激しい変化に対応するため、その傾向はどんどん強くなる一方です。このように開発プロジェクトの短期化が求められる一方で、それによる品質の低下が製品・業界を問わず大きな課題となっています。ドキュメンテーションの放棄による要件・設計漏れ、テスト工程を圧縮することはダイレクトに品質の低下を意味し、リファクタリングを怠ることでソースコードの保守性は下がり続けています。

これまでSHIFTでは、このトレードオフ関係にある両要素の両立を目指し、様々なことに挑戦してきました。
CAT検定による高生産性テストエンジニア集団の形成、テスト実行・管理支援システムCAT TCMの開発、設計段階から品質リスクを潰し込んでいくインスペクションサービス、テスト自動化支援サービスの展開などです。しかし、私たちはソフトウェアテストのプロ集団として、常に新しい価値を創造し、お客様に提供していくために、自らの技術の改善を続けるのはもちろん、新しい技術を常に模索して参りました。その結果、鷲崎所長とのご縁があり、共同研究を進める運びとなりました。

本研究では、SHIFTがサービス開始から多業種にわたるお客様の製品に対する品質サポートにより蓄積してきた、161,000件以上(2014年12月現在)の不具合情報を活用し構築した、不具合の偏在をとらえるテスト手法と、鷲崎所長率いるグローバルソフトウェアエンジニアリング研究所が培った技術を融合し、探索的に適切なテストケースを導き出すアルゴリズムを共同開発します。

本研究を進めることで、テスト対象ソフトウェアの属性や状態から、そのソフトウェアに潜む深刻な不具合を予測し、リスクを早期に潰し込むことのできる効率的なソフトウェアテストを提供できるようになります。つまり、従来であれば何十万ケースもあったテストケースを、深刻度の高い不具合を摘出できるものを中心に絞り込んで最適化できるということです。
そのため、莫大な品質保証コストの大幅な削減はもちろん、そのリードタイムも短縮されるため、高品質のソフトウェアをより迅速にマーケットに提供していくことが可能です。

本研究の成果は、2015年春を目処に、関連カンファレンスにて論文として発表することでソフトウェア業界全体に向けて発信していく予定です。その後も継続的に研究を進め、SHIFTのテストサービスを通じてお客様に提供して参る所存でございます。

「すべてのソフトウェアにMade in Japanの品質を」
大きな目標ではございますが、着実に一歩一歩近づいていけるよう、SHIFTはこれからもソフトウェアテスト領域に関する挑戦を続けて参ります。

 

研究者プロフィール

鷲崎 弘宜 (Hironori Washizaki)
IEEEが主催するICSTカンファレンス(国際的ソフトウェアテストカンファレンス)でプログラム委員を務め、同カンファレンスで日本人としては稀な技術論文の連続採択実績を持つソフトウェアテスト業界の第一人者。博士(情報科学)。2008年より早稲田大学理工学術院准教授、および、国立情報学研究所客員准教授。再利用と品質保証を中心としたソフトウェアエンジニアリングの研究、教育、社会展開に従事。その他に、SamurAI Coding 2014-15 Director、 SEMAT Japan Chapter Chair、IEEE CS Japan Chapter Secretary、情報規格調査会SC7WG20主査、日科技連SQiP研究会運営小委員会副委員長としての活動なども精力的に行う。ソフトウェアエンジニアリングを中心に多くの研究業績を挙げ、ソフトウェア科学会高橋奨励賞、情報処理学会山下記念研究賞、船井情報科学奨励賞、日経品質管理文献賞(対象文献執筆分担者)、テスト技術者振興協会善吾賞をはじめとする数々の賞を受賞している。

野口 直寛 (Noguchi Tadahiro)
早稲田大学 理工学術院基幹理工学部 情報理工学科。鷲崎研究室にてソフトウェアテストの研究に従事。

佐藤 孝俊 (Atsutoshi Sato)
株式会社SHIFT 執行役員 兼 ソフトウェアテスト事業本部技術開発部 部長
2004年よりメーカー系SIerにて基幹系ルーターのルーティングプロトコルの開発に従事。2008年2月にSHIFTに参加。高い仕様把握能力と前職で培ったインフラ周りの知見を活かし、ソフトウェアテスト事業部の要として活躍。その後SIer Divisionとして強力なコンサルチームを組織し、既存のSHIFTの方法論では成し得なかった難易度の高い品質保証案件を次々と成功に導く。

太田 健一郎 (Kenichiro Ota)
株式会社SHIFT ソフトウェアテスト事業本部技術開発部
Jenkinsの導入、トレーニングを担当。有志の仲間達と共に『入門Jenkins―実践「継続的インテグレーション」』を2012年に執筆。その他、コミュニティ活動として、JaSST実行委員会、テスト自動化研究会、その他に所属し、公私ともにCIをはじめとする自動化に情熱を燃やしている。

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