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ヒンシツ大学 林せんせいのAI研!⑨ ~AIに「自分で採点して、自分で直して」と頼んだら、驚くほど良くなりました。【評価プロンプトの技法】後編~

AIコラム


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効果的な評価プロンプト作成のコツ

 

この手法を効果的に使うためのポイントをご紹介します:

1. 目的を明確にする

何のために評価するのかを最初に決めましょう。「お客様に良い印象を与えるため」「誤解を避けるため」「行動を促すため」など、明確な目的があると、AIもそれに沿った評価をしてくれます。

2. 評価項目を具体的に設定する

「良い文章かどうか」ではなく、「読みやすさ」「説得力」「親しみやすさ」など、具体的な観点を提示します。数値で測れるもの(文字数、専門用語の数など)と、主観的なもの(印象、感情への配慮など)をバランスよく含めると良いでしょう。

3. 評価基準を決める

5段階評価なのか、10段階評価なのか。そして、どのレベルから「改善が必要」と判断するのか。これらを明確にすることで、AIの評価がより一貫したものになります。

 

評価観点の選び方にあなたのオリジナリティが現れます

 

実は、この評価観点をどう設定するかが、とても重要なポイントなんです。AIに「この文章をどんな観点で評価すべきか教えて」と聞くこともできますが、そこに必ず自分なりの視点を加えることをお勧めします。

例えば、AIが「わかりやすさ、論理性、説得力で評価しましょう」と提案してきたとしても、あなたが「相手の感情への配慮」や「ブランドイメージとの整合性」を重視しているなら、それを追加すべきです。

この評価観点の選び方にこそ、あなたの価値観、経験、専門性が反映されるのです。同じ文章を評価するにも:

 

マーケティング担当者なら

 「ターゲット層への訴求力」「行動喚起の効果」

技術者なら

 「正確性」「実装可能性」「保守性への配慮」

管理職なら

 「リスク管理」「ステークホルダーへの影響」「組織方針との整合性」

といった具合に、その人ならではの観点が加わることで、評価結果もより実用的で価値のあるものになります。

つまり、AIが提案する一般的な評価観点に、あなた自身の専門知識や価値観を組み合わせることで、他では得られない独自の視点での分析が可能になるのです。これこそが、AI時代における人間の付加価値の一つかもしれませんね。

 

より高度な活用:段階的改善

 

この手法の真の威力は、「評価→改善→再評価→再改善」のサイクルを回すことで発揮されます。

・最初の文章を作成してもらう

・評価プロンプトで品質をチェックしてもらう

・改善案に基づいて文章を修正してもらう

・再度評価して、さらなる改善点がないかチェック

・必要に応じて追加の修正

このプロセスを2〜3回繰り返すことで、最初の文章とは比べ物にならないほど洗練された内容を得ることができます。

 

業務別の評価観点例

 

提案書の場合

・課題の理解度

・解決策の具体性

・実現可能性

・コストパフォーマンス

 

マニュアルの場合

・手順の明確さ

・初心者への配慮

・トラブル対応の充実度

・図表の適切性

 

プレゼン資料の場合

・メッセージの明確さ

・視覚的な分かりやすさ

・論理的な構成

・聞き手への配慮

 

まとめ:AIを「厳しい先輩」として活用する

 

この手法の素晴らしいところは、AIが「厳しいけれど的確な先輩」のような役割を果たしてくれることです。感情的にならず、客観的に問題点を指摘し、建設的な改善案を提示してくれます。

「完璧な一発回答」を求めるのではなく、「一緒に改善していく」というアプローチを取ることで、AIとのより深い協働関係を築くことができます。

明日何かの文章を作る機会があったら、ぜひ「自分で評価して、改善案も教えて」と頼んでみてください。AIの新しい一面を発見できるかもしれません。きっと、その丁寧さと客観性に驚かれることでしょう。

 

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著者:林 栄一
   (林せんせい)

株式会社SHIFT「ヒンシツ大学」クオリティ エヴァンジェリスト

組織活性化や人材開発において豊富な経験を持つ専門家として、人材と組織開発のリーダーを務め、その後、生成AIを中心にスキルを再構築し、現在新人研修プログラムや生成AI講座開発を担当している。2008年にスクラムマスター資格を取得し、コミュニティーを通じてアジャイルの普及に貢献。勉強会やカンファレンス、最近では生成AI関連のイベントに多数登壇している。チームワークの価値を重んじ、社会にチームでの喜びを広める使命をもつ。